Column

コラム

《2023年度版》予備校メック流
医学生のためのオススメ勉強法はコレだ!
「第11回:いざ!医師国家試験に向けた必修対策!~基本編~」

2023.11.06

こんにちは!メックのL.Iくまです。
11月に入って、朝晩冷え込む日が多くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
これからはどんどん寒くなっていきます。医師国家試験に向けて体調管理も一段と意識していく必要がありますね。しっかり食べてしっかり寝て、元気に乗り切りましょう!

卒業試験をクリアできた学生様、追・再試が残っている学生様もいらっしゃるかと思いますが、国試対策、卒試追・再試いずれにしても必修問題対策をスルーすることはできません。
そこで11月は「必修対策」に特化したコラムです!基本編と次週公開のワンポイントアドバイス編でお届けしますので、ぜひご覧ください。

第11回:いざ!医師国家試験に向けた必修対策!~基本編~


まずは「必修を知ろう!」

必修は「優しい問題」それとも「怖い問題」でしょうか……?
皆さん、必修を甘く見てはいけない!!
ご存知の通り、医師国家試験は各論、総論、必修の3項目にわかれています。

必修の特徴

問題数:50問×2日間 合計100問 ★内訳:一般問題(25問)・臨床問題(25問) 内長文10問:2連問×5問
※5肢択一式
配点:一般問題:1問1点、臨床問題:1問3点 ←必修クリアの重要な鍵
合格基準:絶対評価:(得点160点/200点)   ←80%以上の得点率が必要
必修は臨床問題1問3点の配点です。知識を確実にしてしっかりゲットしましょう!

ちなみに、各論・総論はというと…。
・問題数:一般問題(100問)+臨床問題(200問) 合計300問
・配 点:一般・臨床問題共に1問1点 合計300点満点
・合格基準:相対評価

直近の第117回医師国家試験【必修】2日間を見てみよう!
◎ ブロック:B/Eが必修。 各論の次に実施。
◎ 時間割:13:35~15:10/95分 2日間ともに同じ。
◎ 問題数:全体で100問1日に換算すると50問★内訳は上記参照。


どういった問題が出題されるの?
① 基本的な問題ではあるが、医学や医療の本質を理解していないと解けない問題
実際の患者さんや医療現場を想定できないと、解答を導き出せない問題
医師になる上で必要となる教養や判断力を問われる問題

疾患の各論的知識よりも「まず行うべき」「現時点で」「次に必要な」検査や治療など出題パターンに慣れておかないと、本番で選択肢が絞れず迷うことになります。
実臨床に近いテーマからも出題されるため、実習から遠ざかっている学生様には対策しにくいといえます。

同じ疾患でも一般臨床と必修独自の問題では、答え方が違ってきます。
実際に問題を解いて違いをみてみましょう。
疾患名:子宮筋腫
一般臨床問題:子宮筋腫の問題の正答は「GnRHアゴニスト」「筋腫核手術」が答えになることが多い。

解いてみよう → 102D60

40歳の女性。以前から過多月経があり、人間ドックで小球性低色素性貧血を指摘され来院した。便潜血反応陰性。子宮頸部細胞診クラスII。骨盤部単純MRIのT2強調矢状断像を別に示す。 薬物療法として適切なのはどれか。
a エストロゲン
b GnRHアゴニスト
c メトトレキサート
d ブロモクリプチン
e プロスタグランジン


必修問題:「直ちに行うべき対応」で今の貧血がひどいため「輸血をする」が答えに。

解いてみよう → 117E26


データでみる必修

<必修は18のガイドラインで構成されている>
ガイドライン7、8、11、12の出題割合が高いです。

【必修の基本的事項】
1 医師のプロフェッショナリズム 約4%
2 社会と医療 約6%
3 診療情報と諸証明書 約2%
4 医療の質と安全の確保 約4%
5 人体の構造と機能 約3%
6 医療面談 約6%
7 主要症候  約15%
8 一般的な身体診察  約13%
9 検査の基本 約5%
10 臨床診断の基本 約4%
11 救急初期診療  約9%
12 主要疾患・症候群  約10%
13 治療の基本 約4%
14 基本的手技 約4%
15 死、緩和ケア、終末期ケア 約2%
16 チーム医療と多職種連携 約2%
17 生活習慣とリスク 約5%
18 一般教養的事項 約2%
<117回の総評では>
◎Eブロックに難問はあるものの難易度は安定
頸管無力症(E30)を主役とした問題はかなり珍しく、必修レベルとは言い難い問題であったと思われます。そのほかにも、新型コロナウイルス〈SARS-CoV-2〉抗原検査陰性患者に行うべき優先度の高い検査(E46)など明確な正解を選びにくい問題もあり、難しく感じられる問題があったことは事実です。しかしながら、総合的にみて得点率8割に届かない水準の難易度ではないため、落ち着いて「解ける問題を解く」冷静さが要求されました。
◎感染症流行の時代を反映した出題
三角筋への筋肉注射による合併症(E9)や、第一次世界大戦とほぼ同時期にパンデミックがみられた感染症(E23)など、COVID-19そのものでなくても、それに関連した知識を問う問題が明らかに出題されていたのも特徴的でした。今後もこの風潮はしばらく続くものと思われます。

117回総評

第117回医師国家試験が終了いたしました。受験生の皆様、2日間大変お疲れ様でした。
115・116回同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下での試験となり、感染対策に充分留意しながらの受験になったことはもはや慣例とも言えますが、それに加えて今回は早い時期から「ガイドラインが変更となるのではないか」、「問題冊子の回収が行われるのではないか」、「CBT形式での試験になるのではないか」などの噂もあり、不安に感じていた受験生も多かったのではないでしょうか。結果としてひとまず全てがこれまで通りの形での実施となりました。

今回の国試は例年以上にメッセージ性の強いものであるように感じました。前回の国試は少し変革を感じさせる内容となっており、コロナ禍における即戦力を求める問題が散見されましたが、今回はさらにその意図が強く出ていました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての問題(E45~46)が出題されたのはもちろんのこと、カプセル内視鏡を行う際に注意が必要なもの(F35)や、オピオイドローテーションの具体的な実施法(F42)など、臨床現場での実務として必要となる知識が要求されています。また、一般問題・臨床問題共にリハビリテーションについても多く出題されており、従来のような整形外科領域の知識に留まらず、心臓リハビリテーションの実践的な方法(F47)など深い知識まで要求されています。「今後ますます進む高齢化に伴い、急性期だけではなく回復期や慢性期の患者管理も大事な医療である」という出題者からのメッセージと思われます。 このようなメッセージ性が強すぎるあまり、顕著に難しい問題や解きにくい問題が多かったのも今回の特徴でしょう。難問には2種類あり、「専門医でないと分からない問題」と、「専門医であっても分からない問題」がありますが、今回は後者が目立ちました。過強陣痛による変動一過性徐脈に行うべき対応(C54)、分娩の進行が停止した妊婦への対応(C55)、乳癌の治療方針決定のために行う検査(D32)などは、専門医であっても判断に迷う、複数正解にもなり得る問題となっていました。

一方で、出題者が求める人材とは、即戦力になり得るというだけでなく、当たり前のことを地道に学習できる人材です。ですから例年同様、過去問をベースとした問題をきちんと押さえていれば合格できることに変わりはありません。患者の家族構成を正しく表した家系図(B33)(107C-19と同一)、酸塩基平衡障害の解釈(A75)(110G-69と同一)など過去問と全く同じ問題はもちろん、調節性内斜視の対応(A47)(114A-27の類問)、慢性副鼻腔炎の治療(A52)(108A-24の類問)など過去問の類問が出題の多くを占めていたことは間違いなく、難問が多かったからこそ、こういった問題を迅速かつ正確に解く能力が求められていました。

今回も、「試す」のではなく試験問題を通して「学ぶ」ということが重視されていたように感じます。従来通りの正攻法で解ける問題を確実に押さえつつ、難問には正解することよりも挑むような気持ちで取り組み、解けなくても慌てない精神的な強さを得ることも必要であると思います。

必修については近年難易度は安定しており、今回も大幅な難易度変化はなかったと考えます。


必修対策

必修対策で重要なのはこの5つ!

1. 講座を受講!
2. 国試過去問演習でパターンを学ぶ!
3. 出題割合の高いガイドライン・自身の苦手なガイドラインで攻めていく!
4. 必修を解く際は「各論を解く」から「必修を解く」へスイッチを切り替え!
5. 国家試験直前ではメックの大人気予想必修講座で締める!

それでは、1つずつ説明していきます。

1. 講座を受講!

自己学習では抜けが出る必修対策を万全にするためには、講座の受講をおすすめします。
臨床現場で日々働くメディカルスタッフにとっては当たり前・常識であることが、机上で勉強している学生様には大きな落とし穴となってしまうことも多々あります。

必修の見落としがちな常識問題を「かゆいところに手が届く」解説をしてくれているのが、現役救急医であるDr.宮田の自信作「MEC必修講座」です。
ぜひご活用ください!
https://mecnet.jp/lp/2023/5course/#drmiyata

2. 国試過去問演習でパターンを学ぶ!

医学生の皆さまは、12月頃に全国模試を受ける方が多いと思います。
ご自身で決めた演習量を模試受験日まで1周した上で模試を受け、必修の理解度や誤答問題の誤答理由を確認していくと次の復習に役立ちます

■ 12月の模試受験までに毎日コツコツ25問ずつ演習していくと……
・過去問10年分(117~108回)の問題 (計1,000問)
⇒25問×40日間で1周完了!

・過去問5年分(117~113回)の問題 (計500問)
⇒25問×20日間で1周完了!

メック模試にご興味がある方はこちら

■ 国試直前期(12月~国試まで)の対策の極意!
国試直前期になると、苦手分野の克服やまだ手をつけていない科目を勉強する学生様もいらっしゃるかと思いますが、必修は疾患の基礎知識を確実に定着することが重要ですので、毎日触れることを心掛けましょう!
できれば、ご自身が1日のうちの各論を勉強した後に単純な考え方にスイッチを切り替える習慣をつけるために、毎日コツコツと決まった問題数やガイドラインを繰り返し解いていくこと大切です。

“毎日コツコツ”の具体例

12月から必修をガッツリやりたい医学生の皆さま
過去問10年分(117~108回)の問題 (計1,000問)
⇒1日40問ペース、25日間で終了します!
このペースなら国試までに2~3周は余裕で回せそう。
年内は他分野の学習を優先、必修の最終仕上げは1月!な医学生の皆さま
過去問5年分(117~113回)の問題 (500問)
⇒1日35問ペース、約15日間で終了します!
このペースでも国試までに2~3周は回せて、十分間に合いそう。

さらに違った視点で問題を演習していくのもオススメ☝

3. 出題割合の高いガイドライン、自身の苦手なガイドライン等で攻めていく!

<出題割合の高いガイドライン>
G7「主要症候」    (約15%)
G8「一般的な身体診察」(約13%)
G11「救急初期診察」  (約9%)
G12「主要疾患・症候群」(約10%)
※( )内の数字は、おおよその出題率となっています。

☝必修ガイドラインの3方向から攻めていく
先月の公衆衛生対策でも必修のガイドラインについて触れましたが、ここではさらに深堀していきます!

ズバリ!必修全18ガイドラインは主に3種類の問題にわけられます

① 医学の一般知識(内科・救急・産科・婦人科・小児科・マイナー) で解ける問題
② 公衆衛生の問題
③ 必修独自の問題

では、必修全18ガイドラインを①~③の問題に振りわけてみます。
※ガイドラインについては、10月コラムに記載の「公衆衛生で扱われる問題」をご確認ください。

① 医学の一般知識(内科・救急・産科・婦人科・小児科・マイナー) で解ける問題
G5.7.8.9.11.12.13.14
➡出題割合の高い7.8.11.12が含まれています。これは要チェックですね!

② 公衆衛生の問題
G1,2,3,4,6,10,15,16,17,18
➡総論に比べ必修から出題される公衆衛生は過去問演習で対策しやすいです。
(直近の総論では難易度高めの問題が出題される傾向)

③ 必修独自の問題
G18
➡公衆衛生と必修独自が含まれます。

いかがでしょう?
このような観点で必修ガイドラインの構成を見てみると、なるほど!と感じる部分が多いのではないでしょうか。
やみくもに勉強するよりも、ガイドラインの構成を知り、さらに出題割合を意識することで、必修を対策しやすくなるかと思います!

各ガイドラインの詳細については、下記のURLよりご確認ください。
厚労省掲載「必修の基本的事項」 001079482.pdf (mhlw.go.jp)

4. 必修を解く際は「各論を解く」から「必修を解く」へスイッチを切り替え!

「まず初めに行うのは?」「現時点で行うのは?」「次に必要なのは?」
といった問われ方をされることがあります。
正解選択肢が複数あるように思え、深読みして間違えてしまう学生様もいます。
まずは、「必修を解くスイッチに切り替えて解くだけでも正答率が上がってきます。意識してみてくださいね。

5. 国家試験直前、メックの大人気講座で締める!

多くの先輩方が「Dr.孝志郎のLAST MESSAGE」を見て、最後の総復習と予習に役立ててパワーを注入し、医師国家試験に向かっています🔥
皆さまも合格力注入しませんか!!!

以上、「第11回:いざ!医師国家試験に向けた必修対策!」の基本編をお届けしました。いかがでしたか? 次週公開の「第11回:いざ!医師国家試験に向けた必修対策!~ワンポイントアドバイス編~」では、こちらの勉強法コラムではお馴染みの、個別指導講師Dr.川端より「必修対策ワンポイントアドバイス」をお届けします!見逃したらソン!

関連記事

コラムカテゴリー

タグ

CLOSE

各校へのお問い合わせ

スマートフォンをご利用の方は番号をタップすると
校舎に直接ご連絡いただけます。

  • 東京校

    Tel. 0120-16-3891Tel. 03-3292-3898

    営業時間:平日9:00~18:00

    〒101-0061

    東京都千代田区神田三崎町1-3-12
    水道橋ビル4F(東京校)6F(本社)

  • 名古屋校

    Tel. 0120-47-389Tel. 052-228-9740

    営業時間:平日9:00~18:00

    〒460-0003

    愛知県名古屋市中区錦1-5-13
    オリックス名古屋錦ビル3F

  • 大阪校

    Tel. 0120-45-3891Tel. 06-6940-6946

    営業時間:平日9:00~18:00

    〒530-0014

    大阪府大阪市北区鶴野町1-9
    梅田ゲートタワー11F

  • 福岡校

    Tel. 0120-46-3891Tel. 092-441-4541

    営業時間:平日9:00~18:00

    〒812-0016

    福岡県福岡市博多区博多駅南1-8-36
    JR博多駅南ビル8F