《2024年度版》予備校メック流
医学生のためのオススメ勉強法はコレだ!
「第25回:新問対策と復習方法 ~後編~」
2024.09.06
医学生の皆さまこんにちは!
医師国家試験対策予備校メック大阪校のラーニングインストラクター(L.I)「L.I Nisshy」です!
前回公開の「第24回:新問対策と復習方法 ~前編~」はいかがでしたか?新問対策にお役に立ちましたでしょうか。
後編は「一般問題対策で意識することとは?」からご紹介します!
前回同様「解いてみよう!」はクリックすると過去問が表示されます。後編もDr.大原のアドバイスを参考にしてぜひ解答してみてくださいね!
1. 新問(オリジナル問題)が苦手な方がやりがちなこと
2. 新問の対策(一般問題・臨床問題)とは?
3. 一般問題対策のポイント
4. 臨床問題について
5. 新問(オリジナル問題)・模試の復習方法
Dr.大原
個別指導では低学年の進級試験、共用試験CBT、卒業試験、医師国家試験対策まで幅広く指導を行い、生徒の弱点や補強すべきポイントを的確に見つけ、確実に成績向上へと導く。メック予備校の国試対策コースでは、各科目の重要疾患に対しての基礎知識を補う「Introduction」補講講義担当。
根性論ではなく、冷静な分析で弱点を見抜き、成績をぐんぐん伸ばすことに定評があるため、生徒からの信頼も厚い。
第25回:新問対策と復習方法 ~後編~
3. 一般問題対策のポイント
暗記の苦手な方から、問題を解く際、2択まで絞れたのに迷ったあげく誤答してしまう、とご相談を受けることがよくあります。一般問題を得点できるようにするポイントを教えてください。
とにかく「絶対に正しい」「絶対に不適切」を選べる力をつけよう、ということでしょうか。
一般問題の選択肢は近年かなり細かい知識まで出題されており、その全てを網羅することは難しくなっています。では、本当に全ての知識が求められているのでしょうか?
どんなに4つの選択肢がわからなくても、1つの常識を選択すれば良いだけだったり。逆に、正解選択肢は知らなくても他の4つが確実に誤りだったり。はたまた、不適切なものを選ぶ問題で有名禁忌を答えさえすれば良かったり。
国試教材も情報過多な時代ですが、問題に正解するエッセンシャルな知識、真に要求されている知識は意外と昔から変わっていないかもしれません。
この過去問、解いてみました!
医学生Aさん
117F12における「口腔内アフタが有用な疾患の判断」は、各疾患の病態、つまり病気が発生する機序をきちんと理解していれば類推できると思いました。選択肢は腸疾患であり、口腔内アフタを起こしうるのは全身性の疾患であるため、「他の4つは違うかな」と判断できると思います。
メック生Bさん
正答がわからなくても病態のイメージから消去法で答えられるかもしれません。
医学生Cさん
Crohn病に口腔内アフタが見られることを知らなくても、他の4つが違うということがわかれば正解できる気がしました。
4. 臨床問題について
① 症候・病態を問う問題の対策とは?
近年の医師国家試験では、症候・病態を問う問題が増えています。これも新問を解く上で押さえておくべき重要なポイントだと思います。こちらも対策を教えていただけますでしょうか。
似た病態には似た治療をする!そして、必ず「病態生理と薬理学をセットで考える」習慣をつける!ということ。暗記の負担が格段に減りますよ☺
かみ砕いて言えば、「それはどんな疾患か」「なぜその薬剤を使うのか」を説明できるようになるのがスタートライン。
例えば、何気なく治療として暗記しているβブロッカー、Caブロッカー、副腎皮質ステロイド、ループ利尿薬、抗血小板薬……などなど。その疾患のどんな病態を改善するのでしょうか。ほかにどんな疾患に使えますか?
ほかにも、一見すると細かい知識が聞かれているように思えて、実は病態生理を考えれば当たり前といった問題も多々あります。
この過去問、解いてみました!
医学生Aさん
「低血糖状態でのホルモンの動き」に関しても、各ホルモンの人体における作用をきちんと理解しその上で類推する能力が必要だと思います。
メック生Bさん
直接は習っていない知識でも、理屈を考えてみると低血糖時に出る血糖を上げるホルモンを考えれば答えにたどり着けそうです。
医学生Cさん
反応性低血糖症について知らなくとも、問題文から低血糖と推測し、低血糖時に上昇するホルモンを知っていれば解けました。常に病態生理や薬理作用を考えるようにして復習していきます!
② 画像問題の極意は?
画像は問題を瞬時に解くことができる重要な材料ですが、苦手意識をもつ学生様も多いです。日頃の学習で意識できる極意のようなものはあるのでしょうか。
画像問題に極意なし、です。
これは難しい質問ですね。放射線画像だけで解ければ放射線科医ですし、病理画像だけで解ければ病理医ですから(笑)。
とはいえ私がアドバイスをするとすれば、国試的に有名な画像一発問題はさておき、まずは「座学で覚えた画像所見を臨床所見から推測する」ことをオススメします。画像が難しいことと問題が難しいことは別ですからね。
例えば閉塞性ショックの問題で心エコー画像がわからなくても、心タンポナーデと推測できればecho free spaceを探しに行けます。
画像の読解には慣れもあるので、テキストだけでは伸びにくいかもしれません。問題演習をこなして身につけていきましょう。
この過去問、解いてみました!
医学生Aさん
画像が理解できなくとも、AMIの急性期合併症のうちMRを来すものは乳頭筋断裂である、と問題文のみで解けるので、それをふまえて改めて画像を見れば画像が理解できるようになると思いました!
5. 新問(オリジナル問題)・模試の復習方法
新問(オリジナル問題)で構成される模試を受験したあとの復習の仕方について教えてください。
模試で得た新しい知識は、自分の教材に一元化しましょう!
せっかく模試を受験しても、復習しなければ意味はありません。
せっかく復習しても、国試本番に持っていけなければ意味はありません。
間違えた問題をチェックして、周辺知識を学ぶ……ここまでは良いですが、それをちゃんと国試までキープしましょう。多くの方が、模試の解説冊子にマーカーを引いて書き込みをしているものの、それで終わりにしています。
その解説冊子、直前まで見返しますか?
毎年のように新しい知識が出題される国試ですが、予備校の模試が的中することも多いです。知識を逃すのはもったいない!必ず自分の教材やノートに移植して、本番への武器にしてください。
結果(成績)を気にするあまり、中には模試は受けたくない、という方もいらっしゃいますが💦、模試はさらなる伸びしろを求めて受験するもので、受験したあとも何度も復習していけば良いってことですね。
その通りだと思います。模試は“自身の現状を理解できる”ということが一番の効果です。
点数に一喜一憂するよりも、伸びしろがあることを喜びましょう。
一問も迷わずに満点を取れてしまうテストがあったとすれば、それは気持ちが良いかもしれませんが、実は時間の無駄ともいえます。
失敗こそが糧になります。そのための模擬試験です。
模試を受けたら早いうちに復習して、誤答に至ってしまったプロセスを理解するのが大切ですよ。
受験後は、模試の問題を解いた時の焦り、苦しみ、迷い、当日の思考回路などを忘れないように、なるべく一週間以内に復習しましょう。
Dr.大原から皆さまへメッセージ
逆に言えば、最近の臨床問題はただ問題を解いて終わりではなく、ポリクリのようにエピソード記憶としてインプットする価値があるということです。
座学の試験ではありますが、ぜひ実際の患者さんを診るようにしっかり文章から所見を拾い、鑑別を挙げるトレーニングを積んでください。
“医師国家試験が得意になる”のではなく、“医学が得意”になりましょう!
前・後編でDr.大原よりガツッと濃密にお届けした「新問対策と復習方法 」はいかがでしたか?
新問が苦手な方は参考にしてぜひ対策にお役立てくださいね!