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医師国家試験情報

過去の概要・総評

第117回医師国家試験概要

実施日:令和5年2月4日(土曜日)及び5日(日曜日)の2日間実施。

1日目

A 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:60、5肢2択:10、5肢3択:4、8肢1択:1)
B 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
C 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:60、5肢2択:15、5肢3択:5、計算:1)

2日目

D 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:64、5肢2択:8、5肢3択:3)
E 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
F 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:58、5肢2択:8、5肢3択:6、6肢1択:1、計算:2)

第117回医師国家試験 総評

第117回医師国家試験が終了いたしました。受験生の皆様、2日間大変お疲れ様でした。
115・116回同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下での試験となり、感染対策に充分留意しながらの受験になったことはもはや慣例とも言えますが、それに加えて今回は早い時期から「ガイドラインが変更となるのではないか」、「問題冊子の回収が行われるのではないか」、「CBT形式での試験になるのではないか」などの噂もあり、不安に感じていた受験生も多かったのではないでしょうか。結果としてひとまず全てがこれまで通りの形での実施となりました。

今回の国試は例年以上にメッセージ性の強いものであるように感じました。前回の国試は少し変革を感じさせる内容となっており、コロナ禍における即戦力を求める問題が散見されましたが、今回はさらにその意図が強く出ていました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての問題(E45~46)が出題されたのはもちろんのこと、カプセル内視鏡を行う際に注意が必要なもの(F35)や、オピオイドローテーションの具体的な実施法(F42)など、臨床現場での実務として必要となる知識が要求されています。また、一般問題・臨床問題共にリハビリテーションについても多く出題されており、従来のような整形外科領域の知識に留まらず、心臓リハビリテーションの実践的な方法(F47)など深い知識まで要求されています。「今後ますます進む高齢化に伴い、急性期だけではなく回復期や慢性期の患者管理も大事な医療である」という出題者からのメッセージと思われます。

このようなメッセージ性が強すぎるあまり、顕著に難しい問題や解きにくい問題が多かったのも今回の特徴でしょう。難問には2種類あり、「専門医でないと分からない問題」と、「専門医であっても分からない問題」がありますが、今回は後者が目立ちました。過強陣痛による変動一過性徐脈に行うべき対応(C54)、分娩の進行が停止した妊婦への対応(C55)、乳癌の治療方針決定のために行う検査(D32)などは、専門医であっても判断に迷う、複数正解にもなり得る問題となっていました。

一方で、出題者が求める人材とは、即戦力になり得るというだけでなく、当たり前のことを地道に学習できる人材です。ですから例年同様、過去問をベースとした問題をきちんと押さえていれば合格できることに変わりはありません。患者の家族構成を正しく表した家系図(B33)(107C-19と同一)、酸塩基平衡障害の解釈(A75)(110G-69と同一)など過去問と全く同じ問題はもちろん、調節性内斜視の対応(A47)(114A-27の類問)、慢性副鼻腔炎の治療(A52)(108A-24の類問)など過去問の類問が出題の多くを占めていたことは間違いなく、難問が多かったからこそ、こういった問題を迅速かつ正確に解く能力が求められていました。

今回も、「試す」のではなく試験問題を通して「学ぶ」ということが重視されていたように感じます。従来通りの正攻法で解ける問題を確実に押さえつつ、難問には正解することよりも挑むような気持ちで取り組み、解けなくても慌てない精神的な強さを得ることも必要であると思います。

必修については近年難易度は安定しており、今回も大幅な難易度変化はなかったと考えます。

①出題形式

(1)問題タイプ別の変化

  第117回 第116回 第115回 第114回 第113回
5肢1択 342 334 338 341 337
5肢2択 35 44 51 40 52
5肢3択 18 18 8 16 7
多選択肢問題※ 2 1 1 0 2
計算問題 3 3 2 3 2

※6肢以上の選択肢数の問題。

  • これまでまとめて出題されてきた複数解答を選ばせる問題(5肢2択、5肢3択)がランダムに出題されました。出題順がランダムになるのは104回以来です。

  • 英語問題は全文英語の問題のみが出題され、116回からは1問減り2問(必修一般・B8、各論臨床・D52)出題されました。

  • 計算問題(0~9の数字を選ばせる問題)の出題数は116回と同数の3問が出題されました。なお、117回で初めて長文問題(3連問)の中に計算問題が出題されました(F71)。また、1ブロックの中で2問以上計算問題が出題されたのも初めてのことです(F71、F75)。

  • 多選択肢問題の出題数は116回より1問増加し、2問出題されました(総論臨床6肢1択・F74、各論一般8肢1択・A75)。多選択肢問題が2問以上出題されたのは113回(2問)以来です。

  • 下線部5択問題は116回と同数の8問出題されました。

  • 臨床問題の設問内容の内訳は116回と大きな差はありませんでした。最も変化がみられたのは症候・病態を問う問題で、117回では72問が出題され、116回より7問増加しました(117回72問、116回65問)。

  • 正答として「誤り」を選ばせる問題が69問出題されました。国試が400問になった112回以降増加傾向にあり、最多であった116回から2問増加しました(116回67問)。

  • 問題冊子に表やグラフ、イラストなどが図示されている問題が大幅に増加しました(117回14問、116回5問)。

(2)画像問題数の変化

  第117回 第116回 第115回 第114回 第113回
画像問題数※ 110 99 98 111 101
画像点数 179 146 171 171 156

※別冊冊子に画像が提示された問題。

  • 画像問題数は110問で、116回から11問増加しました(116回99問)。

  • 画像問題1問あたりの画像点数は1.63点で、116回と比べ増加しました(116回1.47点)。

  • 画像5択問題は116回より2問増加し、7問出題されました(116回5問)。

(3)画像点数の変化

  第117回 第116回 第115回 第114回 第113回
頭部CT 3 7 2 3 1
頭部MRI・MRA 13 1 8 5 5
胸部CT 13 11 15 10 12
胸部エックス線 11 16 13 21 12
心電図 8 4 11 5 8
心エコー 7 3 3 7 5
腹部CT 11 12 10 15 15
腹部エックス線 3 1 2 1 7
腹部超音波写真 3 2 1 4 0
消化管内視鏡 6 4 6 7 7
染色標本 11 14 10 12 10
外観 22 15 23 28 22
器具・手技 6 5 6 4 5
その他CT・MRI・エックス線 29 23 15 30 22
その他 33 28 41 19 25
合計 179 146 171 171 156

  • 画像点数は179点で顕著に増加しました(116回146点)。国試が400問になった112回以降では最多の画像点数でした。

  • 種類ごとの点数は、画像点数自体の増加に伴い概ね増加していますが、頭部MRI・MRAは13点(116回1点)と著しく増加しました。

(4)その他

なし

②出題科目

(1)内科系

  • 頻出疾患の出題は控えめ
    国試において虚血性心疾患や肺癌、梅毒、結核などは頻出疾患であり、1疾患につき5問以上出題されたこともありますが、今回はこれらの頻出疾患の出題は控えめであり、虚血性心疾患後の心臓リハビリテーション(F47)が問われたり、梅毒血清反応陽性妊婦への対応(A43)が問われたりと、少し捻った出題の仕方となっていました。

  • 過去問の研究が重要
    たこつぼ心筋症の診断(A23)、好酸球性食道炎の診断(A62)など、これまで正解として問われたことのない疾患が新たに出題されましたが、これらはすでに近年の過去問で不正解選択肢として登場している疾患でもあります。過去問5年分については不正解選択肢であっても充分対策しておく必要があります。

(2)公衆衛生

  • 難化傾向
    今回もCブロックで難問が目立ちました。医療保険による在宅医療サービス(C15)、国際生活機能分類〈ICF〉について(C20)、学校保健安全法の規定(C27)などは、自信を持って正解できた受験生はほとんどいなかったのではないでしょうか。接種間隔を27日以上あける必要があるワクチン(C17)など比較的新しい知識を要求する問題も出題されており、知識のアップデートも要求されています。

  • 尤度比の理解を要求
    近年の計算問題は公式の丸暗記ではなく理解が求められる問題が多いですが、特にスクリーニングについてはその傾向が顕著でしょう。従来多かった検査前確率、感度、特異度から機械的に四分表を書いて解けるような問題は近年はほぼ出題されていません。今回も貧血診断における尤度比の計算(B47)が出題され、感度・特異度は影もなく、今後も尤度比を使用した計算が当たり前にできるようになっていなければなりません。

(3)マイナー

尋常性白斑の診断(A31)や、尿膜管癌(D44)など今までスポットを浴びてこなかった疾患が散見されただけでなく、肘内障の所見(D11)など比較的なじみのある疾患でも発展的な知識まで要求されており、難問が目立ちました。やはりここでも、選択緘黙の診断(A18)(106A-50の類問)など過去問の類問でできるだけ得点を稼いでおきたいところです。

(4)その他の科目

  • 産婦人科では難問が散見
    過強陣痛による変動一過性徐脈に行うべき対応(C54)、分娩の進行が停止した妊婦への対応(C55)など専門医でも判断に迷う問題はもちろんのこと、現時点で適切な経腟超音波検査所見(C48)は人工授精という背景があり、不妊治療が増加している時勢を反映したものと思われますが、週数計算に戸惑った受験生も多かったと思われます。

  • 小児科での実臨床を意識した出題
    小児科の難易度は例年通りと思われますが、泣き出した患児への対応として適切なもの(E39)や、聴診困難な乳幼児において心雑音を評価するために最も適切な対応(F54)など、小児の診察に関わる問題が出題されており、これも実臨床を意識した問題と言えるでしょう。

③一般問題

公衆衛生が難化するとどうしても一般問題の難易度も上昇しますので、難問が多いと感じられたのではないでしょうか。
手術中に行う迅速病理診断について(F31)など病棟実習を意識した問題が臨床問題のみならず一般問題でも出題されています。
溶血性尿毒症症候群でみられるもの(A6)や、側頭葉てんかんでみられる症状(D3)などの基本問題で得点を稼ぎたいところですが、Traube三角を構成するもの(C1)や、膀胱の蓄尿症状(F10)など一見基本的にみえる解剖や病態、症候の問題にも解きづらさを感じた受験生が多かったようです。

④臨床問題

  • Aブロックに画像問題が増加
    Aブロックで画像問題が著増しており、臨床問題のほとんどが画像問題となっていました。画像は問題を瞬時に解くことができる重要な材料ですが、苦手意識を持つ受験生も多く、これも今回の国試が難しいと感じられた原因の一つになっています。

  • 国試合格後の臨床現場を想定した問題
    熱中症患者に対する説明(C53)や、腎移植後の患者への説明(F41)など外来での患者への指導を選ばせる問題も多く、「国試が終われば間もなく外来に出るのだ」ということを受験生に強く意識させる問題となっています。使用後の個人用防護具を脱衣するのに適切な場所(C43)などもまさにwithコロナでの即戦力を求める今の国試らしい問題と言えるでしょう。

⑤必修問題

  • Eブロックに難問はあるものの難易度は安定
    頸管無力症(E30)を主役とした問題はかなり珍しく、必修レベルとは言い難い問題であったと思われます。そのほかにも、新型コロナウイルス〈SARS-CoV-2〉抗原検査陰性患者に行うべき優先度の高い検査(E46)など明確な正解を選びにくい問題もあり、難しく感じられる問題があったことは事実です。しかしながら、総合的にみて得点率8割に届かない水準の難易度ではないため、落ち着いて「解ける問題を解く」冷静さが要求されました。

  • 感染症流行の時代を反映した出題
    三角筋への筋肉注射による合併症(E9)や、第一次世界大戦とほぼ同時期にパンデミックがみられた感染症(E23)など、COVID-19そのものでなくても、それに関連した知識を問う問題が明らかに出題されていたのも特徴的でした。今後もこの風潮はしばらく続くものと思われます。

⑥メックの医師国家試験対策

第117回医師国家試験は、細かな出題形式の変化や、問題の難易度の幅広さなどにより普段の問題解答のペースを崩され、受験生にとっては精神的な疲労感が強い試験だったのではないでしょうか。

今回特に興味深かったのは、画像点数と、画像に関連する問題の多さでした。400問になった第112回以降、画像点数は最も多く、問題冊子にイラストやグラフが提示された図示問題についても最多でした。国試問題における画像や図は、それがなければ解けないような問題もあれば、それがあることでかえって混乱してしまう問題もあります。情報の多さは、ヒントにも障害にもなり得ます。

国試のみならず、現在は情報過多の世界であり、その中で重要なことは「多くの情報から何を選ぶか、その情報は間違っていないか。そして、その情報から何を読み取り、どう判断するか」という力です。医療の世界においても、今後ますます情報量は増えていくことでしょう。しかし、時間との戦いが行われている臨床現場では、一つの判断が命取りになることがあります。だからこそ、医師は情報処理能力を高めていく必要があるのです。医学部での生活においても、大学の講義や各種試験、マッチング、CBT対策や国試対策など、様々な情報を集めて選択をしなければならない場面は多々あります。予備校教材を使った対策も、年々早期化しており、医学生は膨大な情報量に溺れそうになるかもしれません。

情報が多すぎることで、「何を見たらよいのか・どう調べればよいのか・自分には何があっているのか分からない」という学生の声から、メックは2022年に『MEC Net.』をスタートしました。MEC Net.にログインすれば、学習のみならず、医学部での生活に必要な情報を、整理された状態で見ることができます。 メックは、これまで現役生には「講座・教材・模試」のイメージが強かったかもしれません。しかし、予備校生には学習以外のサポートも行っています。MEC Net.がスタートしたことにより、医師国家試験合格まで一貫したサービスやサポートを受けられる「環境」を、すべての医学生が低学年からでも使えるように整えてまいります。

国試の内容が変わっても、求められる医師像の根幹は変わりません。しかし、ライフスタイルや環境は常に変わっていきます。メック自身も常に変化しながら、一人ひとりに寄り添い、あなたに最も適切なものを提供してまいります。

2023年2月7日
MEC 医学評価センター国試分析チーム
(メック講師・企画部・制作部)

第116回医師国家試験概要

実施日:令和4年2月5日(土曜日)及び6日(日曜日)の2日間実施。

1日目

A 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:61、5肢2択:9、5肢3択:5)
B 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:49、計算1)
C 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:57、5肢2択:15、5肢3択:2、計算:1)

2日目

D 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:60、5肢2択:7、5肢3択:8)
E 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
F 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:57、5肢2択:13、5肢3択:3、6肢1択:1、計算:1)

第116回医師国家試験 総評

第116回医師国家試験が終了いたしました。受験生の皆様、2日間大変お疲れ様でした。
前回に引き続き今回も新型コロナウイルスの影響が大きい受験となりました。感染力の強いオミクロン株流行の中、体調管理や感染予防など、受験生の心労は計り知れないものであったと思います。「合格できるか」だけではなく「受験できるか」というところまで気を揉まなければならない時代となってしまったことで、ただでさえ難関である医師国家試験はますます厳しいものとなりました。

今回の国試は少し変革を感じさせる内容になっていたと感じます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療(F55)が早くも出題され、他にもCOVID-19の流行に伴い気落ちした労働者への対応(A26)が問われました。また、前腕を受傷した男性への対応(B42~43)や、創の縫合前に用いることができる消毒薬(F38)など、プライマリケアの一環である救急・外傷に関する問題が大変目立ちました。その他、癌と変形性膝関節症を合併した場合の治療選択(A64)などの臨床判断を問う問題も、前回に比べて増加しました。。

現在の国試受験生は、受験直後の4月からCOVID-19の診療を避けて通ることはできません。また医学生も、医師不足が浮き彫りとなっている現在の状況では、卒業し臨床現場に出たら即戦力であることが求められています。今回の国試は、臨床能力や実践的な知識を学生のうちにしっかり身につけられていたか、「医師になる」ということを意識できていたか、が強く問われていました。のみならず、「この試験の問題そのもので勉強してほしい」「こういうことを身につけてほしい」という、いわば教材のような試験になっていたとも感じました。

とはいえ、やはり例年同様、過去問をベースとした問題をきちんと押さえていれば得点できる問題が多いことに変わりはありません。前置癒着胎盤の説明として適切なもの(A65)や、嗄声が続く患者において最も考えられる疾患(A24)など、ほとんど過去問(113A-71、100F-14)そのままの問題はもちろんのこと、字がうまく書けない患者の病態(A29)や、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用の説明(D70)、造影CTや上部下部内視鏡検査で異常を認めない消化管出血に対して行う検査(C37)など、近年よくみられるテーマも繰り返し出題されていました。地道な過去問演習ができているかが重視される方針に変わりはないでしょう。

必修については近年難易度は安定しており、今回も大幅な難易度変化はなかったと考えます。

①出題形式 ※第111回までは全500問でしたが、第112回より全400問での集計となります

(1)問題タイプ別の変化

  第116回 第115回 第114回 第113回 第112回
5肢1択 334 338 341 337 335
5肢2択 44 51 40 52 55
5肢3択 18 8 16 7 8
多選択肢問題※ 1 1 0 2 0
計算問題 3 2 3 2 2

※6肢以上の選択肢数の問題。

  • 英語問題は全文英語で、115回から1問減り、3問出題されました(116回一般1問・臨床2問、115回一般3問・臨床1問)。また、英語問題で初めて画像問題が出題されました(A61、E38)。

  • 計算問題の出題数は115回から1問増加の3問で、116回で初めて必修ブロックに計算問題(0~9の2桁の一般問題)が出題されました(B50)。また、106回(E69)以来となる臨床問題での計算問題が出題されました(C75)。

  • 多選択肢問題の出題数は115回と同数の1問で、総論分野の臨床問題(6肢1択)でした(F75)。なお、115回(D75)は各論分野の臨床問題(8肢1択)での出題でした。

  • 下線部5択問題は115回と同数の8問出題されました。

  • 臨床問題の設問内容別で増加がみられたのは、治療・対応を問う問題(116回100問、115回87問)、検査を問う問題(116回30問、115回21問)でした。一方、症候・病態を問う問題は減少しました(116回65問、115回83問)。

  • 5肢3択問題は115回の2倍以上となる18問の出題がありました(116回18問、115回8問)。

(2)画像問題数の変化

  第116回 第115回 第114回 第113回 第112回
画像問題数※ 99 98 111 101 113
画像点数 146 171 171 156 173

※別冊冊子に画像が提示された問題。

  • 画像問題数は115回と同程度でした(116回99問、115回98問)。

  • 画像問題1問あたりの画像点数は115回から減少しました(116回1.47点、115回1.74点)。

  • 画像5択問題は115回より3問減少し、5問出題されました(116回5問、115回8問)。

(3)画像点数の変化

  第116回 第115回 第114回 第113回 第112回
頭部CT 7 2 3 1 2
頭部MRI・MRA 1 8 5 5 16
胸部CT 11 15 10 12 16
胸部エックス線 16 13 21 12 10
心電図 4 11 5 8 9
心エコー 3 3 7 5 1
腹部CT 12 10 15 15 12
腹部エックス線 1 2 1 7 3
腹部超音波写真 2 1 4 0 1
消化管内視鏡 4 6 7 7 4
染色標本 14 10 12 10 14
外観 15 23 28 22 28
器具・手技 5 6 4 5 5
その他CT・MRI・エックス線 23 15 30 22 22
その他 28 41 19 25 30
合計 146 171 171 156 173

  • 画像点数は減少しました(116回146点、115回171点)。ただし、複数の写真を1点扱いで表示しているもの(C4など)が115回より多い印象です。

  • 種類ごとの点数は、頭部MRI・MRAが7点減少、心電図が7点減少、外観が8点減少しました。一方、頭部CTが5点増加、染色標本が4点増加しました。

(4)その他

なし

②出題科目

(1)内科系

  • 新疾患の出題は控えめ
    COVID-19の治療(F55)の他、腱索断裂(F65~67)が内科分野での新疾患であり、例年に比べると新「疾患」の出題は控えめであったと言えます。しかしながら、以下のように近年のトピックス的な出題が目立ったため、「新しい問題が多い」という印象を受けた受験生も多かったと思います。

  • 注目されている疾患、概念の出題
    免疫チェックポイント阻害薬の副作用(A35)や、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎で最も注意すべき合併症(D44)などは、近年注目されている疾患や概念であり、臨床現場からも出題が多く予想されている分野でした。「出そうなもの=臨床現場で有名なもの=医師になる上で把握すべきこと」がしっかり出題されており、奇をてらわない良質な問題であったといえます。視神経脊髄炎の診断に有用なもの(D42)などでは正解選択肢にはなっていないものの抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体〈抗MuSK抗体〉など、今まで国試では見かけなかった単語も出現しており、「医師になる上で把握すべきことを出題していきたい」という意欲を感じます。

(2)公衆衛生

  • 難化傾向
    前回に引き続きCブロックで難問が目立ちました。近年の疾病や疾病リスクについて正しいもの(C21)などの統計の難問、生活保護法について正しいもの(C30)などの知らなければ解答困難な問題など、苦戦した受験生も多かったと思います。

  • 理解を問う計算問題
    A群β溶連菌性咽頭炎の事後確率の算出(E47)や、予防因子の曝露レベルに応じたオッズ比の計算(F74)は、陰性尤度比やオッズ比とは何かを理解し、かつ使いこなせることが要求されました。数年前までは、公衆衛生分野の計算問題は理解していなくても公式に当てはめて機械的に解ける問題がみられていましたが、今後はより深い疫学・検査学分野の理解が要求されそうです。

(3)マイナー

Darier病(A39)や、化膿性汗腺炎(D8選択肢)など、馴染みの薄い疾患がみられました。経尿道的膀胱腫瘍切除の合併症(D72)は、臨床的な手技の合併症を問うています。皮膚科は知名度の低い疾患を問う、泌尿器科は臨床的な知識を問うなど、科目ごとの特色を今回も受け継いでいたように感じました。なお、複視を訴える男性の病態(D26)で、間欠性外斜視が出題されるなど、皮膚科以外でも従来出題が少なかった疾患が散見されました。

(4)その他の科目

  • 産婦人科、小児科は概ね例年通り
    性分化障害の患児の両親への説明(A34)など一部難問はあるものの、正常分娩において経過観察を選ばせる問題(F46)や、小児の成長発達(F14)など、定番問題を手堅く出題している印象でした。

  • 麻酔科の出題が減少
    例年数問、特に必修での出題があった麻酔科は、大腸癌の周術期管理で適切なもの(A38)にからめて少しみられた程度で、前回に続き今回も本格的な出題がありませんでした。

  • 救急の出題が増加
    必修、一般臨床ともに救急分野の問題が目立ちました。中毒は近年、何かしら出題されますが、今回は一酸化炭素中毒(C57)が出題されました。救急らしく初期対応を問う内容となっており、診療の流れが理解できていないと解きづらいでしょう。放射線による汚染がある患者の対応(F51)など、CBRNE災害に関わる問題が出題されたことも印象的でした。

③一般問題

公衆衛生が難化するとどうしても一般問題の難易度も上昇してしまいますが、肺動脈楔入圧と心拍出量で定義される心不全分類(D3)や、慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の呼吸機能(F4)など、CBT的な知識を問う問題や、自閉スペクトラム症の特徴でないもの(A11)など、過去問とほぼ同様の問題もしっかりと出題が続いており、「見たことがある問題を確実に解答できるか」が要求されました。

④臨床問題

性的被害を受けた女性への対応(A47)や、癌と変形性膝関節症を合併した場合の治療選択(A64)、頭部外傷後のスポーツ復帰の方針(D59)など、単に投薬や手術などの治療選択だけでなく、臨床現場での適切な保健指導ができるかまで要求されました。また、下部消化管内視鏡検査(F71~73)は、現場における実際の検査の流れ、検査所見の解釈、治療の手技などを把握していなければ解けません。いずれも実際の臨床経験がないと難しい問題です。病棟実習でのしっかりとした見学がこの手の難問の対策となりますが、「なんとなく見ておく」では太刀打ちできない内容でしょう。

⑤必修問題

近年必修の難易度は安定していますが、今回も難易度に大きな変化はなかったと言えます。Bブロックでは英語問題が出題されませんでしたが、Eブロックでは出題(E38)がみられ、両ブロックを合わせれば概ね例年通りのスタンダードな出題となっていました。必修で出題の多い手技の問題としては、筋肉注射について適切なもの(E18)が問われており、コロナウイルスのワクチン接種を意識した問題と思われます。例年1題は出題される医学史の問題は、インスリン発見100周年を記念してかインスリンに関する医学史(B22)が出題されており、ノーベル賞受賞者などの一般教養に比べると難問であったと言えますが、推理で十分解ける内容でした。

⑥メックの医師国家試験対策

第116回医師国家試験は、誰もが知っているような有名疾患を中心とした「王道の出題範囲」を大きく外れることはありませんでした。しかし、「“まず”何をすべきか」「“次に”行うのは何か」という判断を問う問題が増え、第115回と比べると1問1問の厳密な理解が問われる、非常にクオリティの高い試験でした。実臨床を想定した問題が中心になってきている近年の医師国家試験ですが、より一層その傾向が顕著かつ詳細になっていました。表面的な試験対策学習だけでなく、本質的な医学知識の理解に基づく臨床判断力が身につく学習ができていたかどうかが、大きく明暗を分けたのではないでしょうか。

第115回の総評でも、『医師としての思考の必要性を意識させる試験であり、「機序を理解しており、あいまいな知識がないこと」「常に平常心で取り組めること」が重要である』ことをお伝えしました。今回の受験生にとっても、2日間という長い時間、常に判断し続けることは、とても過酷なものだったと思います。しかし、実際の医師という仕事では判断し続けることが求められます。

メックの推奨する学習方針は、常に一貫しています。将来の医師像を見据え、まずはレジュメで徹底的に本質的な理解をした上で、それを国家試験の問題の解答に結びつける力を養っていきます。『MECシリーズ』のレジュメを根幹として、そこに自分に合った講座や演習・模試などを加えることにより、「自分が特に苦手な部分・間違えやすい部分」「別の切り口での理解」「近年の傾向や実臨床感覚を踏まえた予想」などを一つずつ埋めていくことで、どんな問題にも冷静に対処できる強さと、医師として通用する知識が得られます。現役臨床医の講師陣の講義には、実臨床に即した内容が要所に組み込まれているため、一歩先の知識が自然に身につき、「知らなければわからない」「みんなが解けない」ような難易度の高い問題であっても、対応することができるのです。

一口に「医師になる」と言っても、現在は様々な可能性がありますが、その全ての入り口は“医師国家試験合格”です。今後メックでは、皆様一人ひとりに適した教材やサービスを選択・提供できるよう、長年のデータとノウハウを最大限に活かしたパーソナライズドトレーニングを確立します。

医師になった後も、メックグループとして、各種専門医試験対策やキャリアアップのサポートなどをいたします。
我々は、すべての医師と、医師を目指す人のパートナーカンパニーとして、皆様に寄り添ってまいります。

2022年2月8日
MEC 医学評価センター国試分析チーム
(メック講師・企画部・教材制作管理部)

第115回医師国家試験概要

実施日:2021年2月6日(土)、7日(日)の2日間実施。

1日目

A 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:60、5肢2択:14、5肢3択:1)
B 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
C 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:57、5肢2択:14、5肢3択:3、計算:1)

2日目

D 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:60、5肢2択:14、8肢1択:1)
E 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
F 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:61、5肢2択:9、5肢3択:4、計算:1)

第115回医師国家試験 総評

第115回医師国家試験が終了いたしました。受験生の皆さま、2日間大変お疲れ様でした。
なんと言っても今年の受験生は新型コロナウイルスとの闘いでした。第一波の際には司法試験の延期があったりと、一時期は国試の開催すら危ぶまれるような状況で、どうなってしまうのかと不安だった方も多いのではないでしょうか。先行きがみえず、集団での学習もままならない状況下で自己学習のペースを守らなければならなかった受験生の方のご苦労・ご心労は察するに余りあります。受験においても体調管理、マスクの着用など注意を払うことが多く、例年以上に過酷であったものと思われます。

出題については大きな路線変更はなく、過去問をベースとした基本的な問題が大半を占めるスタンダードな構成となっておりました。呼吸に応じて移動する腫瘤(B22)や、喫煙による肺癌罹患のリスク比(F75)などのいわゆるプール問題に限らず、強皮症腎の患者で認められるもの(A1)や、高血圧症の対応や特徴として誤っているもの(A51)など、過去問をうまく下地にした問題も多く見られ、過去問演習をしっかりしていた人が得点を稼げる良質な問題群となっていました。

新規出題の疾患として遅発性ジスキネジア(A23)、胃軸捻転症(F52)などが見られたものの、聞きなじみのない疾患の出題はやや控えめであったように感じました。注目されていた新型コロナウイルスについても直接の出題はありませんでした。一方で、近年の特徴でもある臨床重視という傾向はより顕著となりました。PT-INRの上昇に影響する因子(D71)、夜間の記憶がない男性で疑われる疾患(A24)などの薬剤の使用法や副作用に関わる問題や、動脈血ガス分析の際に誤って静脈を穿刺した場合の対応(F64)などの検査手技に関わる問題などが挙げられます。科目ごと、疾患ごとの勉強だけではなかなか対応しづらい分野と言えるでしょう。

必修については大きく議論となるような問題は見られず、難易度はそれほど高くなかったと言って差し支えないと思われます。

①出題形式 ※第111回までは全500問でしたが、第112回より全400問での集計となります

(1)問題タイプ別の変化

  第115回 第114回 第113回 第112回 第111回
5肢1択 338 341 337 335 406
5肢2択 51 40 52 55 67
5肢3択 8 16 7 8 21
多選択肢問題※ 1 0 2 0 2
計算問題 2 3 2 2 4

※6肢以上の選択肢数の問題。

  • 全ブロックを通じて英語問題は4問出題されましたが、内訳に変化がありました(114回は一般1問・臨床3問、115回は一般3問・臨床1問)。

  • 2年ぶりに多選択肢問題が出題されました。臨床問題での多肢選択肢(8肢1択)の出題は110回(A60)以来となります(D75)。

  • 計算問題が114回より1問減少し、2問出題されました。

  • 下線部5択問題が114回より3問増加し、8問出題されました。

  • 症候・病態を問う問題が増加(115回83問、114回62問)しました。

  • 英語問題の出題がすべて全文英語問題となりました。

(2)画像問題数の変化

  第115回 第114回 第113回 第112回 第111回
画像問題数※ 98 111 101 113 121
画像点数 171 171 156 173 226

※別冊冊子に画像が提示された問題。

  • 画像問題数は、114回(111問)より13問減少し、98問と初めて100問を下回りました

  • 画像問題1問あたりの画像点数は114回から微増しました(115回1.74点、114回1.54点)。

  • 画像5択問題が114回より3問減少し、8問出題されました。

(3)画像点数の変化

  第115回 第114回 第113回 第112回 第111回
頭部CT 2 3 1 2
頭部MRI・MRA 8 5 5 16 12
胸部CT 15 10 12 16 16
胸部エックス線 13 21 12 10 16
心電図 11 5 8 9 9
心エコー 3 7 5 1 6
腹部CT 10 15 15 12 14
腹部エックス線 2 1 7 3 3
腹部超音波写真 1 4 0 1 3
消化管内視鏡 6 7 7 4 2
染色標本 10 12 10 14 27
外観 23 28 22 28 29
器具・手技 6 4 5 5 10
その他CT・MRI・エックス線 15 30 22 22 32
その他 41 19 25 30 45
合計 171 171 156 173 226

  • 画像点数は全体で114回と同数でした(115回171点、114回171点)。

  • 種類ごとの点数は、胸部エックス線写真が8点減少、その他CT・MRI・エックス線が15点減少しました。

(4)その他

なし

②出題科目

(1)内科系

  • 新規出題の疾患は減少
    平成30年版医師国家試験出題基準(国試ガイドライン)で追加された疾患や、近年注目されている疾患(新型コロナウイルスを含む)などの出題はあまり見られませんでした。ただし、胸やけを呈する中年女性で考えられる疾患(A50)で出題された非びらん性胃食道逆流症〈NERD〉は、非びらん性のものとしては初となります。また、心肥大をきたす疾患ではないもの(D35)の正解選択肢としてたこつぼ心筋症が出題されました。不適なものを選ぶ問題という性質上、消去法でも回答は可能ですが、たこつぼ心筋症についての知識があった方が解きやすい問題であったと言えます。

  • 過去問をうまくアレンジした問題
    過去問そのままのプール問題も多いのですが、下垂体腫瘍に対する治療として誤っているもの(B48)など、過去問を下地にした問題も多く、解いていて「過去問にあったやつだ」「見たことがある気がする」と感じたのではないかと思います。

(2)公衆衛生

  • 難化傾向
    特にCブロックで難問が目立ちました。医療費が全額公費負担となるもの(C6)、要介護の原因として4番目に多いもの(C9)、日本の性別の一人当たり食塩消費量の推移(C14)など、しっかり勉強していても対応困難な知識を問う問題が目立ちました。

  • 人口関連の問題は減少
    近年、人口問題を重視している傾向の問題が非常に目立っていた公衆衛生ですが、今回は平均寿命を表す数値(F24)があるものの、複雑な計算や生命表の理解を問う問題は減少しました。ただし、世帯構成について(F9)など、統計的知識は変わらず問われました。

(3)マイナー

各科目で前回までのような専門的な検査を問う問題はあまり見られませんでした。 特筆すべきは精神科で、遅発性ジスキネジア(A23)や、全生活史健忘(D15)など見覚えのない問題が散見されました。境界性パーソナリティ障害(D28)もかなり久しぶりの出題であり、対策しにくかったと思われます。

(4)その他の科目

産科では正常分娩の流れを問う問題が定番ですが、C59など分娩経過異常をパルトグラムから判断させる問題が印象的でした。
小児科は例年通りと言えますが、胃軸捻転症(F52)は新規出題の疾患でした。
救急分野は、中毒として過量服薬(E45、46)、外傷として高エネルギー外傷(F60~62)などの定番の出題のみならず、マムシ咬傷(A35)など手広い出題が見られました

③一般問題

難易度に大きな変化はみられませんでしたが、前回と違い英語問題が臨床問題ではなく一般問題で多く出題されました。
検査や薬剤の使い方などについては、臨床的な知識まで求められる問題が臨床問題で出題されやすいため、クレアチニンクリアランスの算出(F12)などの基本的な知識のみで解ける一般問題は確実に得点源としていきたいところです。また、肝臓の代謝(C12)や、絶食時の代謝状態(F18)など、生化学的な問題も散見され、対策が不十分になりやすく解きづらさを感じたのではないかと思います。

④臨床問題

  • 経過観察を選ばせる問題
    血便様の便を認めた乳児(D21)や、BCG接種後28日で患部の発赤腫脹が増悪した際の対応(D47)など、経過観察を選ばせる問題が多く出題されました。本番では経過観察は心理的に選びにくく、的確な臨床判断能力が試されています。

  • 治療薬の扱いを問う問題
    特に近年問題となっているベンゾジアゼピン系睡眠薬の乱用を意識したものと思われますが、ベンゾジアゼピン系薬の副作用に関する問題が多く見られました(A24、D57など)。従来、薬剤の有害事象と言えば、抗凝固薬による出血の問題が定番でしたが、今回はベンゾジアゼピン系薬の他、ドネペジル中毒(C63~65)など、様々な薬剤の有害事象が問われました。「薬が正義」と信じすぎないことは、前述の経過観察を選ぶ臨床判断能力を身につけるためにも必要です。その他、ソモジー効果への対応(A53)なども、これまで出題されたことがありませんでしたが、インスリンの使い方における極めて実践的な知識です。

⑤必修問題

毎回難易度が注目される必修ですが、今回は大きく議論となりそうな問題はあまり見られず、難易度・問題の質ともに安定したクオリティであると感じました。新型コロナウイルスの直接的な出題はない一方で、医師法第1条の条文(E7)や、世界的大流行を引き起こし黒死病として恐れられた感染症(E15)などは、感染症・公衆衛生への意識向上を目指した出題と言えるかもしれません。手技に関する問題としては、経鼻胃管の挿入(B37)や、気管挿管後の確認(B46)など、定番の内容も健在ですが、検体量不足により測定値に大きく影響するもの(B20)は、比較的新しい出題で、極めて実践的な良問です。

⑥メックの医師国家試験対策

第115回医師国家試験も引き続き、標準的なレベルの問題の出題割合が多いものではありましたが、第114回と比べると、比較的難易度の偏りがなく国試らしい問題も多い試験でした。過去のプール問題と明らかにわかるような出題がみられた半面、1点の重みが増し、あいまいな知識のままになっていた部分が多いほど、厳しい試験と感じられたのではないでしょうか。

医師国家試験対策として「絶対に間違ってはならない問題を確実に正解し、偏りのない学習をすること」は、もはや言うまでもありません。過去問の知識をほぼ全員が同じようにもっている中で、 確実に合格ラインに入るために重要なのは、「機序を理解しており、あいまいな知識がないこと」「常に平常心で取り組めること」に尽きます。
とはいえ、中には深い知識をもっていても悩ませるような問題が必ず数問は出題されます。特に近年では、複数科目にまたがるような問題が増加しており、これは臨床現場で総合診療の重要性が叫ばれるようになった流れとも重なります。ここで問われる臨床的な思考は、国試合格だけをゴールとするのではなく、その先の医師としての思考の必要性を意識させます。

メックでは、まずは徹底した過去問対策である『MECシリーズ』の講義で知識の基盤を固めた上で、『MECサーチ』で徹底的に問題演習します。前述のような臨床的な思考への対策においても、メイン講師陣が総合診療医であることで、講義内でも多角的に解説され学習できます。その上で『総論対策講座』『メック模試』などで、検査・治療・薬剤といった切り口でも対策し、過去問をベースにインプットした知識を、様々な視点で確認・整理できるような講座・試験をラインナップしています。また、専門医資格を取得した講師による講座も多数揃え、国試から実臨床がひと続きになった知識を習得できます。

受験生全体の国試対策レベルが向上する中で、「あと1点で泣く」というようなことにならないためにも、より細かく弱点を発見し、対策をしなければなりません。メックでは長年蓄積した膨大なデータを、IRTなどを元にした『能力スコア変換方法、能力スコア変換プログラム、および能力スコア変換装置』を開発、特許を取得した会社と専属業務提携することにより、受験生一人ひとりの特性と、個々の問題の特性を結びつけることが可能になります。この技術を講座・テスト・模試・成績表・個人指導・グループ講義・大学プログラムなど、すべてのサービスにおいて活用してまいります。

さらに予備校では、現役生とはまた別の様々な要因を加味し、「確実に1年で合格する」ための教材やカリキュラムを、培ってきたサポート体制と組み合わせて提供してまいります。

2021年2月9日
MEC 医学評価センター国試分析チーム
(メック講師・企画広報課・メックライン)

第114回医師国家試験概要

実施日:2020年2月8日(土)、9日(日)の2日間実施。

1日目

A 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:61、5肢2択:9、5肢3択:5)
B 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
C 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:59、5肢2択:10、5肢3択:5、計算:1)

2日目

D 9:30~12:15/165分 75問 各論 一般:15問・臨床:60問
(5肢1択:62、5肢2択:9、5肢3択:3、計算:1)
E 13:35~15:10/95分 50問 必修 一般:25問・臨床:15問・長文(2連問×5):10問
(5肢1択:50)
F 16:00~18:30/150分 75問 総論 一般:35問・臨床:25問・長文(3連問×5):15問
(5肢1択:59、5肢2択:12、5肢3択:3、計算:1)

第114回医師国家試験 総評

第114回医師国家試験が終了いたしました。受験生の皆さま、2日間大変お疲れ様でした。
2日間400問構成になってから3回目の実施となりましたが、今回は前回113回までと違い、問題数が各日、各ブロックに均等に割り振られており、最後のFブロックで80問以上の問題を解かなければいけなかった前回までと比べると、疲労感という意味では少し楽だったかもしれません。しかしながら、全体の問題数が変わったわけではなく、1ブロック70問以上を常にこなしていかなければならないという点で、気力・体力共に要求される厳しい試験となっています。

まず、過去問をベースとした基本的な問題が大半を占めるという国試のスタンダードな構成に関しては、今回も変化は見られませんでした。一方で、残りの新傾向問題の難易度については年々上昇しており、今回も難問が目立ちました。そのような難問が印象に残りやすいため、実際の難易度以上に「難しい」「解けなかった」という印象を持ちやすくなっているように感じられます。

過去問ベースの問題については、GCSによる意識レベルの評価(E31)や、尿蛋白量を決定する因子でないもの(F23)などのような過去問とほぼ同様の問題、いわゆるプール問題が例年通り出題されました。一方で、毎回のように出題されていた心筋梗塞の2連問・3連問や、梅毒の連問、偽膜性腸炎の問題などが、今回は出題されませんでした。特に心筋梗塞を主役とした問題が出題されなかったのは歴史的とも言え、いわゆる「お決まりのパターン」から少し外れた出題がされているように思われました。また、急性好酸球性肺炎(A33)や、寒冷凝集素症(D36)など、過去に出題があったものの、ごくまれにしか出てこなかった疾患の出題が増えており、中途半端な過去問演習では太刀打ちできなかったのではないでしょうか。

新傾向の難問については、ロコモティブシンドロームの概念(C17)など、平成30年版医師国家試験出題基準(国試ガイドライン)で新規に追加された疾患や近年注目を集めている概念の出題があった一方で、尿道下裂にみられる所見(A57)や、Warthin腫瘍の診断(D61)といった、受験生が確実に押さえておくべき疾患とは言い難い問題も出題されました。common diseaseについての詳しい知識を掘り下げた問題が多かったここ数回とは、少し印象が変わってきているように感じられました。

必修についてはところどころ難問も見られるものの、難易度はそれほど高くなかったといって差し支えないと思われます。

①出題形式 ※第111回までは全500問でしたが、第112回より全400問での集計となります

(1)問題タイプ別の変化

  第114回 第113回 第112回 第111回 第110回
5肢1択 341 337 335 406 418
5肢2択 40 52 55 67 59
5肢3択 16 7 8 21 19
多選択肢問題※ 0 2 0 2 2
計算問題 3 2 2 4 2

※6肢以上の選択肢数の問題。

  • 6肢以上の多選択肢問題が出題されませんでした。

  • 5肢3択の出題が112・113回の約2倍出題されました(16問)。

  • 計算問題は113回から1問増加しました(3問)。

  • 英語問題は昨年度まで必修でしか出題されませんでした(H30GL必修18-C(診療に必要な一般的な医学英語))が、全文英語(設問もすべて)の問題が必修以外で2問、計3問(A31、D63、E35)、和英混合の問題が1問(F22)出題されました。

  • 英語問題は4問と過去最多の出題数でした。

  • 下線部5択の問題が5問出題されました(B14、C53、F47、F57、F70)。

  • 画像5択の問題が113回の約3倍出題されました(11問)。

  • 図示問題が113回より2問減少しました(9問)。

  • 選択肢の内容が文字でも記号でもなく、イラスト(アイコン)で出題された初めての問題がありました(F45)。

  • 113回と比べて「診断」、「症候・病態」を問う内容が増加傾向、「治療・対応」を問う内容が減少傾向でした。

(2)画像問題数の変化

  第114回 第113回 第112回 第111回 第110回
画像問題数※ 111 101 113 121 123
画像点数 171 156 173 226 215

※別冊冊子に画像が提示された問題。

  • 画像問題数は、113回(101問)より10問増加し、111問でした。

  • 画像問題1問あたりの画像点数は113回と同程度でした(114回1.54点、113回1.54点)。

(3)画像点数の変化

  第114回 第113回 第112回 第111回 第110回
頭部CT 3 1 2 2 7
頭部MRI・MRA 5 5 16 12 14
胸部CT 10 12 16 16 19
胸部エックス線 21 12 10 16 15
心電図 5 8 9 9 8
心エコー 7 5 1 6 2
腹部CT 15 15 12 14 8
腹部エックス線 1 7 3 3 1
腹部超音波写真 4 0 1 3 3
消化管内視鏡 7 7 4 2 8
染色標本 12 10 14 27 36
外観 28 22 28 29 16
器具・手技 4 5 5 10 6
その他CT・MRI・エックス線 30 22 22 32 31
その他 19 25 30 45 41
合計 171 156 173 226 215

  • 画像点数は全体で113回より15点増加しました(114回171点、113回156点)。

  • 種類ごとの点数は、胸部エックス線写真が9点増加、腹部エックス線写真が6点減少しました。

(4)その他

  • 時間割の変更がありました。

  • 「C冊子 別冊No.1(問題6)」に関する正誤表の配布がありました。

②出題科目

(1)内科系

  • 定番を外した出題
    大きな難易度の変化は見られませんでしたが、前述の通り心筋梗塞、梅毒、偽膜性腸炎などを主としたテーマの出題がなかったのは、近年の中では特筆すべき点と思われます。一方で、結核が疑われる患者に行うべき検査(E36)や、AIDS患者の合併症(F66~68)など、変わらず出題されている重要疾患ももちろんあり、基本的な疾患を学習しておく重要性が変わったわけではありません。

  • 検査学、治療学についての難問
    全科目で言えることですが、特に内科系では診断を問う問題以上に、検査学、治療学についての出題で難問が目立ちました。例えばHIV感染症の検査について(C32)や、挙児希望のある関節リウマチの女性に対して妊娠前にあらかじめ中止すべき薬剤(A11)、腎障害の際に減量して投与すべき薬剤(A68)などは、実際に臨床現場でその検査や治療をオーダーしたことがないと難しいでしょう。

  • 画像、病理の難問
    上腸間膜動脈の同定(F25)など、読影の問題も多数出題されましたが、特に今回は病理の問題が目立ちました。胃の正常粘膜における粘膜下層の同定(C25)、細胞診から考える肺癌の組織型(C48)、胃癌で考えられる病理組織像(F69)など、病理の問題が多かったことは、114回の大きな特徴でしょう。

(2)公衆衛生

  • 難易度は例年並み
    日本の薬剤耐性〈AMR〉対策アクションプラン(F3)など、新しい単語も見られたものの、新しい知識については推理で充分に解ける問題も多く、落ち着いて考えれば解答可能なレベルと思われます。

  • 人口分野
    人口問題を重視している傾向は今回も変わらず続きました。前回までは、生命表や人口曲線などかなり専門的な問題が多かった一方で、今回は年齢調整死亡率の計算(C75)など、少ないながらも過去に出題がある問題が出されており、過去問演習が充分であれば正解を目指せるレベルでした。

(3)マイナー

前回に引き続き難化が目立ちました。マイナーは、内科以上に専門的な分野を問われると対策がしにくく要注意と言えるでしょう。前回は検査についての難問が目立ちましたが、今回は掌蹠多汗症(A4)、選択緘黙(A8)、霰粒腫(D2)など、あまり勉強が行き届かないような疾患が多く出題されたように感じられました。

(4)その他の科目

産婦小児の難易度は概ね例年並みですが、胎児推定体重を測定する際に用いるもの(F33)などは臨床経験がなければ難しいでしょう。また、正常分娩の流れを問う問題は定番ではあるものの、今回出題された分娩経過において正常な回旋をしているもの(C52)は、例年よりも一段深い理解が必要とされました。
救急分野の特筆すべき特徴は中毒が多く出題されたことです。一酸化炭素中毒に対して行うべき処置(A51)、カフェイン中毒(C63~65)、クレゾールにばく露された患者に行うべき対応(F39)などが該当しますが、特に後者2つは一般的な知識とは言い難く、かなりの難問と感じられたのではないでしょうか。

③一般問題

例年並みの難易度ではあったものの、新生児の血小板数確認の際に必要な物品(A3)や、S状結腸切除術後に膿瘍形成が最も起こりやすい部位(D5)など、臨床的な検査や外科の問題はやはり得点しにくいと思われます。そのため、急性壊死性膵炎でみられる所見(F28)や、Swan-Ganzカテーテルで測定するもの(F32)などの基本的な問題を確実に押さえていく必要が

④臨床問題

  • 英語問題の出現
    英語問題は従来必修のみで出題されていましたが、今回からWPW症候群に合併した不整脈の診断(A31)、乳び胸の診断において測定すべき項目(D63)と、各論でも出題されました。これにより必修で2問までであった英語の問題数が増加していることから、英語の習得に力を入れてきていることがうかがえます。

  • 臨場感のある連問
    総論の連問は、ふらつきを訴える高齢者(C66~68)や、全身倦怠感を訴える高齢者(F60~62)など、今一つ疾患を絞りきれない臨床設定が多く出題されました。実際の患者は、はっきり病名を絞れないケースや、複数の障害を併せ持っているケースが多いため、実臨床を意識したリアルな症例を用意してきているように感じられました。いずれもブロックの終盤に出題されており、臨床文をじっくり読んで考えなければならない問題であるため、時間配分を間違えると解答することが厳しいでしょう。

⑤必修問題

必修は毎年、難易度が注目されます。不規則な生活に伴いふらつきを呈する患者で欠乏が予測される栄養素(E29)など、議論となりそうな問題もありましたが、それらはごく一部で、今回の難易度はそれほど高くなかったと言えそうです。BブロックとEブロックでの難易度の差も大きくなく、精神的にも安定して受験できたのではないかと思います。新生児蘇生においてまず行うべき対応(E27)は、過去に各論臨床で出題された知識であり、「必修は必修」と分けて勉強するのではなく、やはり疾患の網羅的な勉強が大事であるということを改めて感じさせられました。

⑥メックの医師国家試験対策

第113回でもみられた、標準的なレベルの問題の出題割合が増加し、学生を迷わす難解な問題の出題割合が減少する傾向は、第114回においても引き続きみられました。したがって、平易という印象にもなったかと思います。しかし、各論・総論では、むしろ絶対に間違ってはならない問題が7割程度出題されています。相対評価である国試に合格するためには、まずそれらの問題に正解することが不可欠であり、今後の合格基準は高くなっていくことが予想されます。

メックでは長年、以下のような対策を主軸としています。

  • 過去問題を利用して、解剖・病態から最新の傾向までの国試対策に必要な医学知識を、疾患ベースで系統立てて丁寧に身につけるための、網羅型の学習。
    →Dr.渡の『MEC臓器別講座』をはじめとするMECシリーズ

  • 症例や選択肢など細かく切り口が変わる出題にも対応できるように、出題者の意図を読み取り、実際の臨床現場の患者さんをイメージしてトレーニングし、応用力を強化。
    →Dr.孝志郎の『国試サマライズ』、Dr.佐木の『アクティブ講座/内科』等

  • 各科専門医による最新事情を交えた、国試に準拠したオリジナル問題を使った演習と、直前期に行う予想講座により、国試で取り上げられるトピックスや出題方法を体感。
    →各『メック模試』およびその模擬試験の解説講座、予想シリーズ等

その他にも、学習の進捗を確認するための各種試験と成績表による分析、講座に紐づいた問題演習もできる『MECサーチ』、『メック合格メソッド』と学習状況を個別に管理できる『MEC iチューター』の導入と、様々な取り組みで、国試合格をサポートしています。

絶対に間違ってはならない問題を確実に正解し、国試に合格するには、漏れなく、偏りのない学習をすることが大変重要です。とはいえ、自分自身で学習すべきことをコントロールするのは大変難しいことであり、国試までの限られた期間で、いかに効率的かつ効果的な学習ができるかで、合否が分かれます。
メックでは、国試対策に過不足が出ないよう、「メック合格メソッド」を用いたカリキュラム、テスト、MEC iチューター、グループ講義、勉強会など、一人ひとりに合わせた対策を提案しています。

また、計画的にスケジューリングされた「個人指導」では、苦手分野や定着しない知識に特化したアプローチを行います。既に定着している知識を様々な形で組み合わせ、得点力や臨床的思考力を高めることで、確実に成果を出しています。

メックでは、2020年度より、業界初の成績によるクラス分けと、学習進捗によって異なる教材を使用したプログラムを行い、講師担任制による完全個別カリキュラムも導入することなどで、さらなる成績向上に向け、先進の取り組みで国試を包括的に対策してまいります。
また、多くの外国人訪日を受けて、様々なシーンで英語は必要不可欠となっています。医療・医学教育においても同様で、国試に英語の問題が出題されることは、ごく当たり前のこととなりました。医学英語を強化していくため、主要テキストにおける「英語表記の併記」「英語問題対策講座」なども取り入れてまいります。

2020年2月12日
MEC 医学評価センター国試分析チーム
(メック講師・企画広報課・メックライン)

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