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《2025年度版》予備校メック流
医学生のためのオススメ勉強法はコレだ!
「第39回:【Pre-CC OSCE】ってどんな試験?3-4年生は知っておきたい流れと対策を徹底解説」

2025.08.13

こんにちは、予備校メックのラーニングインストラクター(L.I)「L.I Nisshy」です!

今回のテーマは、「OSCE(Pre-CC OSCE)」です。OSCEは、診察や面接など、実際の診療現場を想定した形式で行われる実技試験となっています。このOSCEは、共用試験の一つで、CBT(解説はこちら)と並んで、臨床実習を受けるためには通過しなければなりません。
「そもそも Pre-CC OSCE(以下:OSCE)ってどんな試験?」
「どんなふうに対策すればいいの?」といった疑問をお持ちの医学生に向けて、試験の概要から当日の流れ、効果的な対策まで、わかりやすく解説していきます。

不安を解消し、自信を持って本番に臨めるよう、しっかり準備していきましょう!

第39回:【Pre-CC OSCE】ってどんな試験?3-4年生は知っておきたい流れと対策を徹底解説

■ OSCEとは? 試験の目的と概要

● 基本情報

OSCE(Objective Structured Clinical Examination)=「客観的臨床能力試験」
OSCEは、学生の面接・診察・手技などの臨床スキルを客観的に評価する実技試験です。
一例として以下の能力を評価されます。

評価ポイント

患者とのコミュニケーション能力・態度

適切な対話、説明ができているか

診察・診断・手技の基本能力

基本から応用まで、臨床に必要な能力が身についているか

判断力

臨床で適切な判断を限られた時間内で行えるか

● 実施時期

各大学のカリキュラムによって実施時期が異なります。多くの場合、臨床実習が始まる前の4年生8月~翌年2月に行われています。

● 試験環境

大学内に「ステーション」と呼ばれる部屋が複数設置されます。受験生は、各ステーションをまわり、領域(領域の詳細は後述)ごとに課題をこなします。ステーション内には診察に必要な器具(打腱器、舌圧子、ペンライトなど)、ゴミ箱などが用意されます。
ステーション内で、自大学と他大学の教員が実技の様子を確認し、基準に沿って採点します。
なお、医療面接や診察は、SP(Standardized Patient)と呼ばれる模擬患者に対して行います。

■ 試験当日の流れと注意点

<ステーションの基本的な流れ>

1. ステーション入室 → 氏名と受験番号を申告

2. 準備時間(約2分) → 課題シートを確認、手指消毒

3. 合図が出たら試験開始(5~10分) → 指示に沿って診察・処置

4. 退室 → 次のステーションへ

課題シートには患者の症状や診療指示が記載されています。
時間内に終えるためには、準備時間で適切に動くことが大切です。準備時間中に課題の内容、必要な器具、動きの順番を確認し、どのように動くかをあらかじめ考えられるようになりたいところです。

■ 試験の領域とは

OSCEは、以下の10領域(8領域は必須で2領域は任意)からの出題です。
基本的には各領域1課題です。課題ごとにステーションが分けられており、順番通りにまわっていきます。

必須領域

1. 医療面接

2. 全身状態とバイタルサイン

3. 頭頸部診察

4. 胸部診察

5. 腹部診察

6. 神経診察

7. 基本的臨床手技

8. 救急

任意実施の領域

9. 四肢と脊柱

10. 感染対策

「9.四肢と脊柱」「10.感染対策」は、必須ではなく、各大学が任意で実施する領域とされており、大学ごとに採用・構成の有無が異なります。

● 課題構成例

医療面接(10 分)
 →全身状態とバイタルサイン(5分)
  →頭頸部(5分)
   →胸部(5分)
    →腹部(5分)
     →神経(5分)
      →基本的臨床手技(5分)
       →救急(5分)

大学ごとに、課題やステーションの構成、または順序が共通していないこともあります。自大学の実施概要を確認し、早めに傾向を把握しておきましょう。

● ステーションの流れ

一般的には、医療面接、身体診察(例:頭頸部、胸部、腹部、神経診察)、手技といった領域ごとの課題を分けてステーションが構成されています。受験生は、それら試験を一つずつ各ステーションで順番に行います。

■ 「対策時期」と「対策方法」

受験生の多くは、試験3週間~1カ月前に対策を始めています。
まずはOSCEの出題形式や採点基準を正確に理解し、自分の弱点や不安な手技を洗い出すことから始めましょう。早めの情報収集と基本動作の反復練習が成功のカギです。

■ 合格した先輩の体験談&アドバイス

体験談

実技系の課題について

◎ Aさん
診察中に、記憶があいまいな課題に出くわしました。焦って立ち止まらずに、できる範囲で最後までやり通すことを意識しました。もし迷ったら、わかる内容から着実に進めていくのも一つの手ですよ!

◎ Bさん
胸部診察では、診察部位に自信がなかったのですが、とにかく試験官に不安を感じ取られないよう堂々とやり切る意識で取り組みました

◎ Cさん
バイタル測定のときに、血圧を測るために使用する台の設置を怠ってしまいました。焦りましたが、とっさに自分の手で患者の腕を支えて心臓と同じ高さで測定。想定外の状況でも冷静に対応して、なんとか乗り切れました!

滅菌手袋・ゴミの分別について

◎ Dさん
手袋外側(清潔部分)を素手で触って装着しないようにしてください。試験開始すぐは、緊張してミスしやすいので、落ち着いてください

◎ Eさん
自分に合った手袋のサイズを事前に把握しておきましょう。本番でサイズが合わないと手際が悪い印象を与えてしまいます

◎ Fさん
私は素早く手袋を装着しようとするあまり、破りそうになりました。普段なら難なくできる作業でも、本番は緊張で思うようにいかないものです。深呼吸して落ち着いて取り組むことを心がけましょう

◎ Gさん
ゴミの分別は意外な盲点になることも。感染性と非感染性の廃棄物をしっかり区別して処理するのは基本中の基本です

医療面接について

◎ Hさん
医療面接の冒頭で、模擬患者さんから名前と生年月日を確認するのを忘れずに!

◎ Iさん
患者さんに質問した内容をその場で丁寧にメモを取りましょう。そして順を追って質問を進めることが大切です。相手の話をしっかり聞いて、あいづちや共感を示すことで、よりよいコミュニケーションになると思います。本番を想定した練習を重ねることで、自信を持って面接に臨めますよ

● 先輩オススメのOSCE対策

OSCEを突破した医学生たちが明かす攻略法を紹介します。

OSCEの試験内容を把握する
まずは、OSCEの課題サンプルを確認しましょう。
医学系OSCE公開資料/公益社団法人 医療系大学間共用試験実施評価機構 (cato.or.jp)

学校教材・OSCE対策本・共用試験実施機構の動画をチェック
各種学習教材を確認して、弱点をなくしましょう。
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友人とロールプレイ
受験生の友人と医師役・患者役に分かれ、本番を想定したロールプレイを行うことで、精度を高められます。

反復練習
医療面接は時間制限があるので、時間内に素早く診断できるようになりたいところです。本番をイメージして、自然な流れで動けるまでくり返し練習することが大切です。

今回では、OSCEの全体像と対策方法についてご紹介しました。
OSCEは実技を「できるようになる」までくり返すことが、合格への一番の近道です。
緊張感のある実技試験ですが、準備をしっかりすればきっと大丈夫です。本番で力を発揮できるよう、今から少しずつ取り組んでいきましょう!

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