《2026年度版》予備校メック流
医学生のためのオススメ勉強法はコレだ!
第58回:医師国家試験における新作問題の対策と復習方法
2026.10.21

L.I Nisshy
医学生のみなさま、こんにちは!
医師国家試験対策予備校メック大阪校のラーニングインストラクター(L.I)、「L.I Nisshy」です。
いよいよ2026年も10月を迎え、医師国家試験まで残り約4カ月となりました。本番に向けて、問題演習を重ねている方も多いのではないでしょうか。
この時期のうちに対策しておきたいのが、「新作問題(新問)」です。新問は、過去問の流用ではなく新たに作成された問題のこと。新問に苦手意識を持つ医学生は少なくありません。
そこで今回は、メックの個別指導・講座を担当するDr.大原のアドバイスをもとに、新問の特徴と、効果的な対策・復習法をわかりやすく解説します。
「解いてみよう!」では、医師国家試験の過去問を使って、考え方を確かめてみましょう。
ぜひ問題を解きながら、日々の演習を見直すヒントを見つけてください。
第58回:医師国家試験における新作問題の対策と復習方法
1. 新作問題が苦手なときは 問題文の読み方を見直そう

L.I Nisshy
私たちメックのL.I(ラーニングインストラクター)は、以下のような相談をよくいただきます。
●「直近5年分の過去問を何周も演習したのに、模試で出題された新作問題は思うように得点につながらない」
●「検査や治療の適切な対応を求められる問題が多くて、判断に迷ってしまう」
こうした悩みは、まず何を見直すとよいでしょうか。

Dr.大原
私が医学生のみなさんと個別指導で接してきた中で、新作問題に苦手意識がある方には共通点があることに気づきました。
そうした方は、患者さんの年齢・性別、主訴や経過を十分に捉えず、「国試でおなじみの有名キーワードを探してしまう」のです。
特に、正答率の高い問題を解くために必要な理解が不十分な医学生ほど、この傾向が目立ちます。
前提として、医師の思考フローは原則、「まず症状から鑑別疾患を考え、必要な検査をオーダーする」というものです。有名キーワードを探す解答方法は順番が真逆なので、新作問題への対応力が伸びにくくなります。
逆に、新問で得点を伸ばせている医学生は、患者さんの年齢や主訴、経過を読みながら、「次にどのような所見が出てきそうか」と有名キーワードの登場を予想して問題を読み進める習慣を身につけているのです。
もちろん、有名キーワードを覚えることも大切です。
そのうえで、次の2点を意識して勉強してください。
- 主訴ごとに、頻度の高い疾患と見逃してはいけない疾患をおさえる
- 頻出疾患では、典型的な受診エピソードをおさえる

Dr.大原
この2つをおさえておけば、成績アップのポイントをつかめます。
特に①は、医師国家試験合格後も、医師として大切になるスキルです。
2. 過去問は 正解と周辺知識を一緒に学ぼう

L.I Nisshy
●「過去問はスラスラ解いて得点を伸ばせても、新問になるとまるで得点が伸びない」
そんな声もよく聞こえてきます。新問で極端に誤答が多い受験生は、どう対策するとよいでしょうか。

Dr.大原
一般問題の「新作問題」は、解答が難しいものが多いので、まずは、誰もが学ぶべき重要な知識を確実にストックしていき、少しでも解ける問題を増やしていくことが基本です。
そのために、直近の過去問は、正解だけでなく周辺知識までくまなく確認してください。基本となる知識が不足していると、初めての問い方に出会ったときに、考える手がかりがないので、手の打ちようがありません。
直近の過去問と同じ内容で翌年以降も出題される傾向にありますから、過去問を押さえることはやはり重要です。こうした年をまたいだ出題傾向は、「新しい知識を前向きに、貪欲に学ぶ姿勢」を医学生に問うということかもしれません。
また、ある年は、臨床問題の問題文に書かれていた所見や処置が、別の年には一般問題の選択肢として登場することもあります。臨床問題をカルテのように丁寧に読み、検査や治療の内容にも目を向ける習慣が身についていると、圧倒的に有利だと言えます。
過去問を解いたみなさんのコメント
医学生Aさん
115E23の復習で、蓄尿症状や排尿障害について整理していれば、その知識を117F10でも使えると感じました。
メック生Bさん
114A33の問題文に出てくる、「両側びまん性のすりガラス陰影」という所見が、117A4の正答を考える手がかりになっています。選択肢cでも、共通する知識が問われていると気づきました。
過去問演習では、正解・不正解の確認に加えて、問題文や選択肢から何を学べるかも意識してみてください。繰り返し演習するときにも、答えを再確認するだけでなく、周辺知識を確かめることで、新作問題に対応する力を養えます。
3. 一般問題は根拠を持って選択肢を判断しよう

L.I Nisshy
新問に限りませんが、メック予備校では、
●「2択まで答えを絞れるのに、最後に間違えてしまう」
という声をよく聞きます。特に、暗記に苦手意識があるメック生が悩んでいる印象です。このような場合、どんな点を意識するとよいでしょうか。

Dr.大原
まずは、【「確実に正しい選択肢」あるいは「明らかに不適切な選択肢」を、根拠を持って判断する力】をつけていただきたいです。
近年の一般問題では、細かな知識を問う選択肢が出題される傾向にあります。すべて覚えなければ解けないように錯覚するかもしれませんが、その問題に正解するためだけなら、網羅的な知識が必要とは限りません。
すべての選択肢の知識に自信がなくても、次のような問題では、根拠を持って答えを絞れます。
- 1つの常識を選択するだけの問題
- 正解選択肢は知らなくても他の4つが確実に誤りの問題
- 不適切なものを選ぶ問題で有名な禁忌を答えるだけの問題

Dr.大原
こうした問題の特性を押さえ、根拠を持って選択肢を判断することが大切です。
医師国家試験は2026年に第120回を迎えました。出題傾向は変化してきましたが、「正解するためのエッセンシャルな知識」「真に要求されている知識」は昔から大きく変わっていないように感じます。
過去問を解いたみなさんのコメント
医学生Aさん
口腔内アフタを手がかりに、腸の症状に加えて口腔の病変も起こり得る疾患を考えると、答えを絞れそうだと感じました。この問題では、各選択肢の病態を理解していれば、ほかの4つを除外する手がかりが得られると思います。
メック生Bさん
正答がわからなくても、それぞれの選択肢の病態をイメージすると、消去法で考えられそうです。
医学生Cさん
Crohn病で口腔内アフタが見られることを知らなくても、ほかの4つを除外できれば正解につながると気づきました。
4. 臨床問題は 病態と治療を結びつけて考えよう
症候や病態を問う問題に備えるには

L.I Nisshy
新作問題の対策で外せないのが、近年の医師国家試験で増加傾向といわれている「症候」「病態」を問う問題です。これらに対応するには、日々の学習で何を意識すればいいでしょうか。

Dr.大原
意識してほしいのは、2点です。
- 病態が似ている疾患では、治療の共通点を考える
- 病態生理と薬理学を結びつけて理解する

Dr.大原
この2つは、学習で必ず押さえておきたいポイントです。疾患ごとの違いにも目を向けながら、この2点を意識して考える習慣をつけましょう。
まずは、その疾患がどのような病気なのか、なぜその薬剤を使うのかを説明できるようにしましょう。病名と薬剤名を別々に覚えるより、理由と一緒に整理することで、暗記の負担を格段に減らせます。
たとえば、βブロッカー、Caブロッカー、副腎皮質ステロイド、ループ利尿薬、抗血小板薬などを思い浮かべてください。それぞれの薬は、その疾患のどのような病態を改善するのでしょうか。また、その作用から考えると、ほかにどのような疾患で使われるのでしょうか。
一見すると細かな知識を問われているようでも、病態生理から考えを巡らせることで、答えに近づける問題があります。ぜひ、病態と治療を結びつけて考える習慣をつけてください。
過去問を解いたみなさんのコメント
医学生Aさん
「低血糖状態でのホルモンの動き」を考えるには、各ホルモンの働きを理解し、その知識を使って推測する力が必要だと感じました。
メック生Bさん
直接学ぶ機会が少ない範囲でも、「低血糖時には、血糖を上げるためにどのホルモンが分泌されるか」と考えると、正解を導けそうです。
医学生Cさん
反応性低血糖症を詳しく知らなくても、問題文から低血糖を考え、そのときに上昇するホルモンの知識を使えば解けると思いました。病態生理や薬理作用を意識して復習しようと思います。
画像は 臨床情報と合わせて読み取ろう

L.I Nisshy
画像問題に苦手意識を持つ学生さんの声もよく聞きます。読み取る力をつけるには、どのように勉強するとよいでしょうか。

Dr.大原
画像問題に、これさえ覚えれば解けるという特別な方法はありません。「画像問題に極意なし」です。放射線画像だけで問題を解ければ放射線科医レベルですし、病理画像だけで正解できるようになるには、病理医になれるほどの知識と経験が必要です。
ただし、画像の読み取りが難しいからといって、問題そのものが難しいとは限りません。まずは臨床情報から疾患を考え、授業やテキストで学んだ画像所見を予測しながら、実際の画像で確かめる練習をしてみてください。
たとえば、閉塞性ショックを考える問題に心エコー画像がある場合、症状や所見から心タンポナーデを疑えれば、画像上でecho free spaceを探すという見方ができます。
画像に慣れることも欠かせません。テキストを読むだけでなく、問題演習を通じて、臨床情報と画像所見を結びつける練習を重ねましょう。
過去問を解いたみなさんのコメント
医学生Aさん
画像をうまく読み解けなくても、AMIの急性期にMRをきたしていることから、この問題では乳頭筋断裂だと考えることができました。病態を考えたうえで画像を見直すと、所見の理解にもつながると思います。
5. 模試の復習は 学んだ知識を本番まで使える形にしよう

L.I Nisshy
新作問題(オリジナル問題)で構成されている模試を受けた後、効果的に力をつけるための復習方法を教えてください。

Dr.大原
模試で新しく得た知識は、普段使っている教材やノートに書き込み、一元化しましょう。
間違えた問題を確認し、周辺知識を学ぶところまでは取り組んでいても、解説冊子にマーカーを引いて復習を終えていませんか。その冊子を、国試直前まで繰り返し見返すかどうかも考えてみてください。
せっかく学んだことは、本番まで覚えておきたいですよね。模試で扱われた内容が国試で問われることもあります。普段の学習で見返す教材に知識を集め、演習のたびに確認できるようにしておきましょう。
模試を受けるだけで終わったり、復習して終わりにしたりせず、得た知識を医師国家試験本番で使える状態にすることが大切です。

L.I Nisshy
成績を気にして、「模試を受けたくない」という国試受験生もいます。しかし、模試は受験後に課題を見つけ、復習を通じて伸びしろを確かめる機会にもなるので、受けないのはもったいないですね。

Dr.大原
その通りです。模試の大きな役割は、自分の現状を知ることです。点数に一喜一憂するのではなく、「これから伸ばせる部分が見つかった」という喜びをかみしめてほしいと思います。
もし、すべての問題に迷わず正解できたとしたら、気持ちはよいかもしれませんが、新しく学べることは少ないでしょう。間違えた問題や迷った問題があるからこそ、次に取り組む課題がわかります。失敗こそが糧になります。そのための模擬試験です。
模試を受けたら早いうちに復習して、誤答に至ってしまったプロセスを理解するのが大切なのです。
模試の解答中には、焦りや苦しみ、迷いなどを経験します。解答時の考え方や経験を忘れないうちに、なるべく1週間以内に復習しましょう。
Dr.大原からみなさまへ

Dr.大原
近年の医師国家試験の臨床問題には、実際の医療現場に即した内容が多く見られます。たとえば、多くの薬を服用している高齢者の副作用を検討する問題、診断がついた患者さんの希望に沿って方針を検討する問題、治療に伴う合併症に対応する問題などです。
昔のように丸暗記が通用する類題ばかりの試験ではありません。
逆に言えば、近年の臨床問題はただ問題を解いて終わりではなく、ポリクリのようにエピソード記憶としてインプットする価値があるということです。
座学の試験ではありますが、実際の患者さんを診るようなイメージで、しっかり文章から所見を拾い、鑑別を挙げるトレーニングを積んでください。「医師国家試験が得意になる」のではなく、「医学が得意」になりましょう!


















過去問を解いたみなさんのコメント
抗核抗体の検査結果がなくても、身体所見や血液検査の情報からSLEを疑う必要があると感じました。外来で問診や身体診察を行い、どの病気が考えられるか判断する力が問われていると思います。
抗核抗体の検査結果や典型的な症状がそろっていなくても、実際の診療では、得られた総合所見をもとに疾患を疑い、自分で抗体検査をオーダーする意識が必要だと思いました。
問題文にある手がかりを拾い、疾患を考えていくことが大切だと思います。この問題からは、「国試で学んだことを、実際の臨床に生かしてほしい」というメッセージを感じます。